コラム

シニヤ割引適用年齢 
                                          2005.3.30     高橋 英造 

  最近、飛行機の修理でフライト出来ない日が続いたのでスキー場に出かけた。
若い頃からスキーは嫌いではなかったがお金がなかったのと仕事が忙しいのとで思い切ってスキーに行くことが出来なかった。 いつも夜行日帰りで上越にばかりですましていた。 このごろは数年に一度のペースでしか滑っていなかった。 いつかはゆっくりとあちこちのスキー場に行きたいと思ってはいたがついつい行かずじまい。

 何年か前にリタイヤされた方とカナダとアメリカに行ったことがあってそのスキー場のスケールの雄大さに圧倒された。 また、ほとんどのスキー場はシニヤに対しての優遇があってリフト券が半額であった。 5日間くらい滑ると結構な金額になり私も早く適用年齢にならないかとうらやましく思ったりしたものだ。 やはり海外はすばらしいまた来ようと思ったりした。

 しかしながら日本のスキー場も高度成長期やバブル期を境に大きく変わっていた。 リフトは一人乗りだけだったのが二人乗り、三人、四人乗りが当たり前その上高速化している。 六人乗りゴンドラも多く一気に高い山頂に運んでくれる。 ゲレンデが広くなってリフトの輸送量に見合った幅になっている。 滑走距離も長く3Km、4Kmは当たり前で途中渋滞もなく気持ちよく滑ることが出来る。 昔から考えると夢の様である。

 しかし最近、若いスキーヤーが減少しスノーボーダーが増えた。 初めの頃はスキーヤーから見るとボダーはゲレンデの真ん中に座って行儀が悪く滑り方が下手で衝突事故も多かったが最近はお互いに慣れてきたのか事故も少なくなった様だ。 スキーヤーとボーダーとの割合も半々である、違和感も少ない。 それと若者の人口が減少したのと携帯電話などに小遣いを使うためスキーまでお金が回らないのかスキー場に来る人が減っている。 休日でも一部を除きリフト待ちは遠い昔の話になりつつある。 
 最近オーストラリヤ人が集団で北海道ニセコに別荘を買ったニュースが報道された。日本は今スキーヤーにとってはカナダやアメリカ並みの理想的な環境になったのだ。


 そして高速道路の整備とオリンピックの開催でスキー場までの道路環境が大きく変わった。 都内からスキー場までは渋滞で5〜6時間が当たり前であったものが3〜4時間で着いてすぐリフトに乗れる。 帰りは志賀高原から三郷まで約300Kmを3時間で帰れた。 帰りもスーッと帰れるのだ。 車にスタッドレスタイヤ、ナビやネズミ捕り予告装置とETCを付ければもっと快適だ。
 
 以前は4〜50歳を過ぎると「そろそろスキーはやめた方がいいよ何しろ骨がもろくなる年齢だ」などといわれたものだが、いざ自分がその年齢を越えて見ると、まだまだそんなことはない思う。 何しろ74歳過ぎて一緒に滑っている人がいるのだ。 65歳前後には以前にスキー指導員の資格を持っていた方もいて華麗なフォームで滑りまくっている。

 以前は50歳を過ぎたスキーヤーは少ないのでシニヤ割引も50歳、55歳からのところが多かったが今は年齢をかさ上げして60歳からがほとんどになってしまった。 それだけ熟年スキーヤーが増えたのかもしれない。 確かにゲレンデにいるとウエアーが一緒で区別が出来ないがレストハウスにはのんびりとお茶を飲みながら楽しそうにおしゃべりしている熟年グループも増えている。 70歳からはハイシニヤで1日千円、中には無料と言うスキー場もあるのだ。

 無料のスキー場で一緒に滑った70歳過ぎの仲間に「わたしも早く70歳になって無料で滑りたいですね」と言ったら「自分はシニヤ割り引きなんかいらないから70歳前に歳を戻してもらう方がいい」と返答され返す言葉が出ませんでした。 これからは時間を大事に使うようにしようと改めて思う。
 あと数年で団塊の世代が定年を迎える。 若い頃スキーをして一時中断している中高年の人たちがどっとスキー場に来るかもしれない。 

さすがに私も最近は若い時みたいにがつがつ滑ることはなくなってゆったりと滑るようにしているがもう少しうまくなりたいと思いながら、深雪スキーや今流行のカービングスキーに取り組んでいる。 70歳を越えても滑れればいいと思っていますがどうなりますか。 

シニヤ割引適用年齢うれしくもあり、うれしくもなしか?



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