コラム

計器飛行 IN USA
広田 正純


計器飛行!小型船舶に乗っている私にとって、霧の中をレ−ダーを見て操船するぐらいの軽い気持ちで始めました。97年12月27日、新型セスナ172Rの機長席にすわった私は1年ぶりのアメリカにおけるATCに少しとまどいつつもなんとかコロラド州デンバー近郊のジエフコエアボートをテイクオフ。 訓練場所の北部コロラドめざしフードでの飛行。
172Rの計器はVOR2個、DME、ILS、GPS、ADFと全て乗つており、快適な飛行を続けました。 途中ストールとステイープ夕ーンの訓練をやりその後ADFトラッキング。 強い風が吹いていたので、ストレートに近づくことがむずかしく、ふくらみながらもようやくバス。 帰りは来るときすぐフ−ドを付けたため近くの地形がわからずGPSを使う。 インストラクターが指示したとうりに使うとジェフコエアポートまでの矩離、現在のグランドスピード、到着時間がわかりとてもビックリ、高度も高度計との差が 5OフイートしかなくたぶんGPSのほうが正しいに違いないと思う程です。そのうちにジエフコエアポートが視任されタワーにコンタクト、1回目は無事終了しました。

2日目は 強風の為キャンセル。3〜4Oノット ガスト6〜7Oノット。

3日目も同じ。 しかしこの風の状態でもテイクオフした飛行機が となりの飛行場にあり 2機とも墜落事故をおこしたとテレビのニュースで知りました。 ボナンザとバイパー1機はローリング中 1機はエアボ−ンした瞬間ということでした。 6〜70ノット吹いていてよく行くものだと感心。 そのチヤレンジ精神が次の飛行技術や設計の進歩の役にたつているのだと感じました。
こちらはしかたなくシユミレ−ションにチヤレンジ。日本では1時間2万円ほどするのでなかなか利用できないが、こちらではインストラク夕−つきで1時闘$45なので3日間で5時間程体験し、ADFトラッキングILSアブロ−チなどさまざまな方法で計器飛行訓練しました。そしてシュミレーションの優れたところは、風をいろいろ変えてできるので実機でやるより最初は効果があがるようでした。

ここで、NEWセスナ172Rのプロフイール
従来の172よりもひとまわり大きくなった感じ、フューエルインジェクションの為キャブヒートがなくスタ−トの時、ミックスチヤーの使い方が従来と少々違っています。 始動前点検においても水抜きの箇所が13箇所もあり少々大変。 上昇性能は従来よりも優れ5500フイー卜の高度から10000フイ−トまですぐに上昇できるだけの性能をもつている。 横風におけるランデイングも低翼機並みに安定し巡航中も不安を感じませんでした。

5日目になるとようやく風もおさまり、訓練開始。 今日は隣の州のシヤンアンまでのクロスカントリー。 途中フットコリンズでILSアブローチの訓練、アウタ−マーカ−をADFで確認してアウ卜バンドコ−ス、プロシ−ジャ−ターンそしてインバンドコ−スに入る。 ADFが15度をさした時、インバンドに入りチヤートの指示どおりディセンドする。

アウ夕−マーカーをヒットした頃からILSの2本の針が激しく動くVORの時より動きが 3〜4倍早い感じ。 針が動き始めてから調整しようとしても遅くグライドスロープはなんとかセンターキーブしたがロ−カライザーの方が3〜4ドッ卜はずれミドルマーカーのところでインストラク夕ーからフ−ドをはずされ、見るとランウエイ左側ぎりぎりのところにいるのですぐエルロンとラダーでセンタ−に持っていきスレッシュホ−ルドでようやくセンター、そしてタッチダウン、そしてゴーアラウンド。 すぐフードをしてミストアプローチの訓練。 インストラク夕−にクロスカントリーをキャンセルしてここでILSアブローチを4回行いジェフコに帰りました。

6日目は( VORDMEアブローチ GPSアブロ−チ) ノンプロシージョンアプロ−チの訓練。どんなことをやるかと思つたら視界の悪い時、大利根でやっていることと同じようなことでした。 VOR 、DME、GPSを使い飛行場をめざしその近づく距離によって降下し最終的に 5〜600フイ−トまで降下し、飛行場が視認されたらサ−クリングアプローチするというものです。大型機には使えませんが小型、中型ならなかなか使い安いアプロ−チで我々VFRパイロットも良く訓練しておけばローシーリングになった時など使えそうでした。

そして最終日は、100フイートビジビリティーでIMC状態、しかしコロラドの1月では雲の中はアイシングの為、172Rでは飛行ができず残念。 ジエット機が1機テイクオフしただけで着陸機は、2機程きましたがゴ−アランドしてミストアブロ−チポイントに行きましたが結局戻ってきませんでした。 こうして私は初めての計器飛行訓練の第1歩を踏み出しました。

次回はいつ行けるかわかりませんがもしVMCの状態からIMCになった時、あわてないですむよう続けて行きたいと思います。
以上


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